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ボヘミアン・ラプソディのもたのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
3.8
音楽パートとドラマパートを隔てないほど細かいカット割りで生まれる、淡々とした(単調な)ドラマは、個人的には好き。ラストに向けての長い焦らしプレイという前提で楽しむ部分が大きいが、語弊を恐れず言うと、ライブエイドのシーンは、興奮は誘うものの、「そっくりさんのモノマネ」の域を出ないモヤモヤは残る。ここは誰もが知るロックスターをメインに据えた伝記映画として、どうあがいても難しい所だと思うが、「伝説のライブの完コピ」では少し弱い気がする。というのもあり、鑑賞中、どことなく違和感を抱え続けたが、やはりエンドロールで流れるフレディ・マーキュリー(本人)の姿には別格の美しさを感じた。安直な音楽青春モノに偏ったりせず、フレディのスター性に迫った作品として評価できるし、QUEENの軌跡と精神をできるだけ歪ませずに、かつドラマチックに表現した映画としての生真面目さは素晴らしかった。
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