老夫婦のロードムービー、最後の旅
アルツハイマーの夫ジョンと末期ガンの妻エラ、息子の心配をよそに2人でキャンピングカーで旅に出かける。
目的地はフロリダ。何日かかるだろう。そんな事は気にしていない。夫は妻の言う通り車を走らせる。
夫は妻のことが分からなくなったり、記憶が戻ったりを繰り返す。
妻は旅でテンションが上がり、病気の事は忘れている。
ロードムービーらしく、色んな事が起きる。ジョンが愛する小説のページをめくるように。
そして旅の終着点は。
大きな問題を抱えた夫婦の旅を、オモシロおかしく描いていて、夫の症状さえもユーモラスに描いているのが好感が持てます。
旅に出ない場合、エラは死ぬまで病院で暮らし、ジョンも施設に入れられた事でしょう。
この旅は有意義であり、必要なものだったのです。
妻の決断も悲観的にはならなかった。あまりにもトーンが明るすぎて。
80歳の夫と70歳の妻。こんな旅を最後にできたら最高だろうと、誰もが思うのでは。
~ドナルド・サザーランドを偲んで~