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リュミエール!のeulogist2001のレビュー・感想・評価

リュミエール!(2016年製作の映画)
3.6
第七の芸術と言われる映画。その発明の起源は諸説あるが、やはりシネマトグラフが大衆性とアイデアにおいては筆頭だろう。

50秒という制限のシネマトグラフ108本が詰め込まれた本作品。リュミエールの偉大さと人柄も偲ばれる。

こうした創成期の作品を眺めると、その手法(メディア)の本質が手にとるように理解できる。
写真が動けば、そこには時間の流れが生まれ、期せずして過去・現在・未来が凝縮され、感情や空気感も閉じ込められる。静止画だと瞬間で切り取られたものから時間を想像する力が必要だし、関係性(時間と空間)の変化は描きにくいが、動画では「変化」を描きやすい。

映画を観る事は裏返すと閉じ込められた「世界」を時間と共に辿りなおす経験なのだ。当たり前と言えば当たり前なのだけれど、改めて映画を観るという事がどういう経験なのか考えるきっかけにもなった。
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