【勝手にヨアヒム・トリアー特集③】
厳格で過保護な両親に育てられた少女が、都会の大学へ入学し、恋・酒・タバコなどの＜逸脱＞によって、自身に眠る超常的な“力”が覚醒していくというお話なのだが……うーん、正直肩透かし……。
冒頭の凍った湖の水底からのショット、カラスの蠢き、ヘビの使い方などは印象的だった。しかし、展開が冗長で中弛み。肝心の“力”とやらも荒唐無稽すぎてむしろ作品を壊してしまっている気がする。オチは意外とすっきりしたけれど。
物語の形式上『RAW〜少女のめざめ〜』『ラストナイト・イン・ソーホー』とつい比較してしまうが、同じ水準にはないように思える。
