Haman

テルマのHamanのネタバレレビュー・内容・結末

テルマ(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

マジモンのDreams Come True。全身全霊で願えば叶う"力"を持っている少女とそれを押さえつける親。都会の大学で出会った同性であるアンニャに恋するテルマ。わざと敬虔なクリスチャンとして育てられたテルマにとっては同性愛などもってのほか。いけないことだと思いながらもアンニャとの愛を望みお互いに好意を持つようになる。それを父親は「彼女はお前を好きではない」ではないと言い、お前が望んだからであって彼女の選択ではないとテルマに言い聞かせる。
好きな人に好きになってほしいと望むのは罪なのか。両親が望んでいるテルマの死は罪ではないのか。抑圧的で過干渉な親からの脱却。最終的には私ってば最強なんだから前向きに生きよう!っていう気概の反抗期映画のように感じた。
「キリストはサタン」劇中の台詞にもあるこの言葉のように、対極に見えるものも本質はあまり変わらない。例えばジャンヌダルクが"奇跡の人"とも"魔女"とも言われたように。この映画のラストを悪魔の誕生として恐ろしく思うのか、少女の新しい巣立ちとして清々しくとるのか。どちらも本質は変わらんのでしょう。
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