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ガーディアンズのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

ガーディアンズ(2017年製作の映画)
3.6
ロシア版アベンジャーズという事で勿論オリジナルはロシア語なんだけど、自分が良く行く北京の映画館では英語吹き替え版で公開されていたので助かりました。

ロシアの最新兵器であるクソつえータチコマみたいなヤツらがソッコーでベインみたいなsuper villainに乗っ取られて、以降は駆け足でヒーロー映画の類型的展開をただただ辿っていくものだから敵も味方も異常に話が早い。仲間集めの迅速過ぎる簡潔性はハラショーだし、ヒーローの明かされざるパーソナルな悲しい過去も本人達が全部台詞で説明してくれるので何だか最早スパシーバという感じ。

スゲー早いヤツとかスゲー石を操るヤツとかスゲー透明になるヤツとかスゲー熊に変身するヤツとか、どこかで見たことのあるようなヤツらがどこかで見たことのあるような展開をどこかで見たことのあるような画によってサクサクと繰り広げていくワケなんだけど、シーンとシーンの間における物語としての隙間を埋めるようなディテールはこの映画にはありません。

すなわち今作は往々にしてヒーロー映画の類型的なシンボリズムに引き摺られた、物語的な必要性の埒外において形式をなぞりたいだけの模倣的なワナビー精神の集積なのだと思うワケで、観る前から誰もが何となく察するであろう内容が見事に再現されていたという結果でありました。

しかしながら、熊が二段階に変身する展開には正直感心したし、熊が背中に担いだガトリング銃をどうやって撃っているのかが良く分からない感じにはグッと来たし、その熊が綺麗なカウンター・パンチを食らって盛大にノックアウトされた時には正直絶望しましたという具合に、ヴィジュアルとしての熊は予想を超えて胸に迫るものがあったのです。
何が良いのだろうかってやっぱり熊なのが良いんだろうなと思うワケで、これに関して言えば最早ハルクじゃ逆にダメなんだろうなと自分でも良く分からない納得をした次第でありました。

今作の熊はそれなりに力強く暴れ回る割に『レヴェナント』の熊と戦ったらなんかフツーに負けてしまいそうなんだけど、だがそれがイイ。私は早くも熊のスピンオフを期待しております。
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