ねこ

ちはやふる ー結びーのねこのネタバレレビュー・内容・結末

ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

青春映画の金字塔、のキャッチコピーそのもの。こんなにキラキラして、中身の詰まった青春映画には初めて出会った。

恋心を隠した「しのぶれど」と、噂になった「こいすてふ」。同じ時、同じ歌合で詠まれ、甲乙つけ難い名歌といわれた2首が結びの主軸。ここで太一の守りがるたが出てきたのもよかった。個人的には最後、太一とも新ともならなかった結末が好きでした。それでも、運命戦で詠まれた札は「しの」の札。千年前に勝ち歌とされたのも「しの」でしたが、勝因はしのぶれどの歌を天皇が口ずさんだという理由で、その曖昧なニュアンスすら、この映画は汲んでいるんだな、と思いました。

結びから参加の周防名人と、準クイーン我妻伊織役、清原果耶ちゃんもすごくよかった。「しの」の札を送り合うシーンと「しのを取るのはわたしや」の台詞がとても好き。
詩暢ちゃんも変わらず素敵でした。千早のかるたが自分のかるたに似ていることに気付いた瞬間の、詩暢ちゃんの表情が印象的だった。

後輩2人を前にして「とても素敵なことが始まった」と言う千早がすごく好き。後に出てくる周防名人の台詞も。本当の強さとは、周りに強さを与える人。後身には希望を、相手には敬意を、仲間には勇気を‬。

☆ しのぶれど 色に出でにけり わが恋は
ものや思ふと 人の問ふまで

☆ 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか
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