mさん

ニュー・ミュータントのmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ニュー・ミュータント(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

みんながいれば恐怖に打ち勝てる。結構楽しめた。

xメンシリーズ異色のホラーテイストで、幻覚によるクリーチャーや逆にリアルな狂気が見え隠れしてちゃんと怖かった。しかも不必要な怖さじゃなく、患者がそれぞれのトラウマと向き合うための怖さなので怖いことに意味があるストーリーだった。第三者の私達でさえ怖いのなら、当事者の恐怖は計り知れないんだろうなと思う。

はじめはバラバラだった5人が1つになっていくのも王道だけど好き。意地悪なキャラに意地悪されて、ここに来るまでの悲惨な状況も相まって死のうとするけど、それを止める優しい人もいてっていうキャラを瞬時にわかりやすく説明しながらも無理なく自然に物語を進める手腕がすごいなと思った。どんどん主人公と他の人との交流が無理なく行われていく。屋根裏の所も2人が無視されてて、「こいよ」って誘ってくれる真面目でいい男がいて、それで「好きにすれば」と意地悪な女の子が気にせず進むのもいい。


あと屋根裏で遊ぶシーンが好き。ゲームで遊ぶって言ってたからトランプでもするのかと思ったら嘘発見器で全然ゲームじゃなくてちょっと不思議だった。あとここは監視されてないって言ってたのに普通に監視カメラあったのはなんだろうってなった。

恐怖に打ち勝つ。それは過去の恐怖だけでなく、能力を制御できないという恐怖もある。火を扱うやつと鉄工業の男は最後仲間を守るために、能力を使う。こうしてしっかり能力のコントロールができるようになるという流れも好き。

みんながいれば所長を倒せる。元をたつために全員が協力するまでの流れはすごく大好きなんだけど、結局倒してるのはダニエルの熊だし、そのあとダニエルの熊を消したのも結局はダニエルで、じゃあダニエル一人で良く無いって思ってしまった。せっかくみんなで協力したのに、敵が倒せないで一人が美味しいところを全部持って行った感じがあって消化不良だった。このみんな感がラストもう少し強かったら凄い好きな映画だった。

私もマジックが使えるっていうセリフがかなり盛りあがる部分として演出されてるんだけど、自分はむしろ急に謎の世界が出てきてちょっとびっくりしてしまった。原作を知ってるファンなら盛り上がったのかもしれない。

あとちょっとシーンのつながりがおかしい部分がある。例えば嘘発見器のシーンで鉄鉱少年が僕はここにいないといけないんだって罪の意識を感じてるのに、その直後のシーンで早くここから出せ!ってキレ散らかしてるのが変だと思った。精神状態が安定してないからって考えもできそうだけど、この人が変なのここだけだから目立ってた。追加撮影とか沢山あってちょっと無理な部分が出たのかもと思った。

ラストにかけてん?ってなるけどキャラがめっちゃいいのと、テンポいいのと、怖さに意味があったのでこんな感じ。
mさん

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