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リングのArts0001のレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
4.5
こんなにホラーがワクワクするなんて…改めてスゴイ映画

2019年公開”貞子”からの口直し鑑賞。やっぱスゲェ!と言わざるを得ない作品。

まず”貞子”とは明らかにターゲット層が異なる作り方をしていると感じる。
全体的に画面が暗い(画面が暗すぎて部屋も暗く、陽一君の将来が心配になる笑)
そして物語に観客を引き込むエスコートの質が異なる。
”貞子”ではイチイチ回想シーンを挟み込んだりセリフで説明するシーンが多かった。今作では例えば、不審死の手がかりを掴むべく新聞を開くシーンで新聞の活字を観客にも読ませることによって手がかりを明示している。
つまり、観客側がしっかり情報をとりに行き、自分の頭で解釈しないと理解できない表現をしている(映画では当たり前なんだけどね)
こういった作り方だと観客自身も一緒に謎を解いているような没入感があると思う。

リングという作品は怖いだけの映画ではない。高校生が不審死した謎を、周りの人物の証言や残された写真、あるいは超常的な映像からヒントを探して真相に迫る作りにとても魅力がある。

回想シーンや説明をたくさん入れてオバケをどんどん出すような作りの映画とは一線を画す違いがある。

音楽の使い方もイチイチ不気味でイイ!オバケを画面内に配置しなくても手をチラ見せさせたり、画面越しにチラ見せさせて音楽と登場人物の目線で想像させる方がずっと怖い!

それじゃあ売れないってこともあるかもしれないけど、作品の質はどう考えてもこっちの路線で作った方が高いと思う。(ボヤキに近いものがあります)

令和に語り継ぐべきホラー作品としてオススメです。

その他。
ラストのあのシーンから呪いの回避方法が分かるまでの下りが好き
井戸の中から縄だけで登れるのスゲェ。
みんな若いけど松重豊ワケぇ!
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