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検察側の罪人のSIのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
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2018.8.27
TOHO六本木にて鑑賞

立て板に水を流すように事実がスラスラと並べられていく伏線皆無の脚本。
新事実のオンパレードで話が展開していき正直呆気に取られる。原作を忠実に再現したのかもしれないが、これではプロットとは呼べない。
キャラクターの人物設計にも無理があり、悪役のキムタクが大義のために罪を犯した風に主張するが、残念ながら松倉への個人的怨念とネオナチへの抵抗活動は全く別問題なのでは?
意味が分からない。

俳優の演技としては、酒向演じる松倉とニノの取調室での長いやり取りは見物。酒向の演技力は正直底が見えるが、ニノはそれらしくなっていて迫力を感じた。

予告編にも使われていたニノとキムタクのカットではキムタクが机を叩き椅子が周って背を向ける事で構図が決まる。深作欣二っぽくてこのカットは好き。
シーン間の繋ぎに単調なフェードアウトが多くて正直くどい。しかしこれはそもそもの脚本の質のせいかもしれない。

雰囲気は出ている。脚本が足を引っ張っている残念な映画。
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