蛇らい

検察側の罪人の蛇らいのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.6
予告で物語の概要を見せるのを最小限に抑えていたのが効いていた。ハードな展開が予想を裏切ってきた。

序盤は検察の仕事や、内部事情などセリフでの説明が多く感じた。映画的には芳しくないが、そこに無駄な時間を割きたくないのならば仕方なし。リアリティを求めるのと、理解を深めるための演出を削ることはイコールなのかもしれない。
物語の構成的に物足りなさは否めないものの、不思議とあまり不満に思わなかった。

やはり光っていたのはキムタク、二宮の演技なのだが、それを際立たせていた無名の俳優陣に感服した。特に二宮が怒号を飛ばしながら詰め寄るシーンでは、松倉役の方の受け方凄すぎる。「セリフを受ける」という技術を初めて意識した。二宮のセリフを飲み込んでその場の空気を張りつめさせ、自らも倍にして吐き出す。職人だ。

自分も含め、周りの観客も集中を切らさずにスクリーンにのめり込んでいた気がした。映画館でこそ楽しめる一本。
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