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検察側の罪人のtagomagoのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
4.2
変な映画。正義とは?をテーマのもとにドラマが展開するが消化不良な点は否めない。それどころか変なところに目がいってしまう。

テンポの速い展開や矢継ぎ早に出される会話、クセのある芝居はまだ慣れるからいいとして新興宗教の変なダンス、その場にそぐわないBGM、タロットカード、極端な顔のアップ、旋回するカメラ、最上と丹野がホテルで密会する場面、ドナルド・トランプ、松倉の部屋、後半登場する弁護士の事務所とその妻など奇妙な引っかかりを残してくれる。

前半はこの映画をどういう姿勢で見ていいのか戸惑っていたが松倉が自転車を降りてタップダンスを披露したその瞬間からこの映画にドライブがかかった。そしてこの映画の見せ場である沖野と松倉の取り調べ室での対決に繋がる。松倉の異様な雰囲気に二宮がまくしたてるようにすごむ。それに怯えるように抵抗する松倉。松倉のパッに二宮がパッで返す。二宮の口からパンチラインがバンバン出てましたよ。このグルーヴ感がたまらなく面白かった。日本映画史に残る取り調べシーンだったのでは。劇場の雰囲気が静まり返っててたまらなかったですね。

テーマ的に重いものだと思っていたが好き勝手にやってくれている。闇ブローカーの松重豊と芦名星が美味しい役柄でケレン味を与えてくれる。すごく楽しそうに演技されてる。まとめに入る第3章は駆け足になってしまうがラブホテルの件は面白いしキムタクがオドオドしてる姿は新鮮。ちゃんと吐いてるところがナイス。

キムタクと二宮が出演してる映画にも関わらずよくもまぁここまで奇妙なものが完成したと思う。もちろん、彼らのらしさは発揮されているように思うのだが監督の作品の中の駒になっているのが新鮮。

インパール作戦があまりにも唐突すぎ。原作を無視して監督の趣味が入りすぎているように感じる。しかし原作通りであれば見やすい映画になってたと思うがそれによって失われる良さもあるのかなと。期待してたものとは違ったがつまらないと切り捨てるには惜しい映画です。