さすらいの用心棒

検察側の罪人のさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
2.7
対極の考えをもったベテランと新米検事の「正義」を巡る社会派サスペンス。

原田眞人の映画は構成がぐちゃぐちゃなものが多いけど、本作はその最たるものだろう。色々な思想を詰め込み過ぎた挙句まとめきれていないから、いったい何を見せられたんだろう、という感想しか浮かんでこない。
木村拓哉も二宮和也も吉高由里子も、みんな演技力はたしかなはずなんだけど、見せ方が悪いせいでキャラクターの魅力がまったく伝わってこない。やっぱりこの監督とはそりが合わないのだろうか。
『悪い奴ほどよく眠る』『天国と地獄』といった黒澤映画を意識して本作をつくったらしいけど、小津安二郎を意識した『わが母の記』のほうが数倍いい映画だったので、いい加減黒澤を目指すのは諦めたほうがいいんじゃないかと思う。