つかれぐま

ミスター・ガラスのつかれぐまのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.0
19.1.25_としまえん#2

四つ葉のクローバー

「アンブレイカブル」「スプリット」の事前鑑賞は必須。気持ちがいいほど説明が省かれていて、これほど前作の鑑賞済みが大前提になっている作品は珍しい。

お話はかなり荒唐無稽。だが異端者をめぐる普遍的な物語として見ることができ、シャマランの毎度の力業もあって集中は途切れなかった。
ミスターガラスはシャマラン自身の投影であり、数万分の一の確率で存在するいわば「四つ葉のクローバー」だ。その繁殖を摘み取る見えざる力の存在も本作では描かれる。女医は「カッコーの巣の上で」の婦長を思い出した。

着地は大袈裟に言えば人類の次なる進化の萌芽。但しその陰にはミスターガラスの大量殺戮(アンブレイカブルで)があったという、シャマラン定番の「ストーリーテリングの遠近法の可笑しさ」(by宇多丸氏)が賛否両論だろうな。ここは単純にシャマランの語り口が好きか嫌いかで変わってくると思う。

オオサカタワーでの派手な決戦を匂わせてからの、あの場所(笑)という展開がとてもシャマランらしく、また数多のビックバジェット作品に対する皮肉のようでもあり、昨今の「CGインフレ状態に食傷気味」の身には逆に面白かった。

エンドロールでのマカヴォイの役名の多さ!には笑えた。映画史上最多ではないかな。