勝ったのは農民だ

ミスター・ガラスの勝ったのは農民だのネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

※今回は、『ミスター・ガラス』のみならず、『アンブレイカブル』と『スプリット』のネタバレも含まれます。
未見の方は読まないほうがいいです。
ご了承下さい。🙇🏻‍♂️

あくまで個人的な意見ですが、今作の鑑賞に関してはその前2作品を観ておく、あるいはネタバレサイトとかで内容を把握しておかないと楽しめないと思います。

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自分は「人生の切なさ」を描いた映画って大好きで、これは悪役でも例外じゃありません。

今年の公開作品では、
『クリード 炎の宿敵』のあの人もそうですし、
今年の冬に公開予定の『ジョーカー(仮題)』もおそらくそうだと思うので、かなり期待しています。🃏


そして、
自分はそれまでシャマラン監督作品にはさほど興味がなかったんですが、
今年の序盤に観た『アンブレイカブル』が、びっくりするぐらい大好きな映画でした。👍

「悪役がいるからヒーローがいる」という概念からなるあの作品を19年前に撮ったのは凄いと思います。

もっと前から扱われていたテーマなのかもしれませんが、それ以降の日本の少年漫画において、影響を受けた作者も少なからずいるはずです。🇯🇵

何より話の内容が悲しく切ないのに反して、「個人の努力ではどうしようもないレベルの障害を持つ人間にも、存在する意味は必ずある」ってメッセージがすごく嬉しいです。
イライジャの「俺のこの体にも全て意味がある」というセリフ。
生まれつきの障害を持つ者に限らず、事故や急病で苦しむ人たちにも置き換えれば十分に感情移入出来ます。😔


そして、『アンブレイカブル』のラストは続編が出来るような雰囲気を醸し出していましたけど、まさか19年越しで続編が出来るとは、ファンもスタッフも思わなかったでしょうね。

『スプリット』に関しても、やっぱり最後、ケーシーがあの後どうなるかを考えると少しブルーな気分になりました。⤵️
そんな中途半端に終わっちゃった感が否めなかったので、この2作品の完結編をまとめてやるのは納得でした。👌

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(3人の主要キャラクターについて)

・冒頭、ブルース・ウィリス演じるディビッド・ダンが息子ジョゼフと組んで、自警団をしているのが分かります。
不死身の男のビジランテですから、『ダイ・ハード』と『デス・ウィッシュ』を合わせたような、ブルース・ウィリスっぽいキャラクターですね。

前作でロビン・ライト・ペンが演じていた彼の奥さんが亡くなったのは残念です。でも、仮に犯罪行為スレスレの自警活動だとしても、息子と協力して生きているというのが分かるとホッとします。♨️
皮肉にもミスターガラスの思惑通り、ディビッド・ダンは正義のヒーローになったってことでしょう。


・一方、前作でケビンと心を通わせたアーニャ・テイラー・ジョイ演じるケーシーも、性暴力をふるっていた叔父さんが刑務所に行き、子供と戯れるような幸せな環境に身を置くことが出来たわけですね。
そこも見ていてホッとしました。♨️


・そして、サミュエル・L・ジャクソン演じるミスター・ガラスことイライジャ・プライス。
『アンブレイカブル』でも観ていて薄々感じていたことなんですが、彼の母親が少年漫画を彼に与えていなかったらどういう人生になっていたでしょうか…。
少年期に読む漫画って、教育的な側面も少なからずあると思います。

あの母親も苦労してきたんでしょう。🤱
ほとんど何もしゃべらなくなった今も、彼のことを気にかけています。

主役の3人(デヴィッド・ダン、ケビン・ウェンデル・クラム、そしてイライジャ・プライス)の各自に、少なくとも1人は大切な理解者がいることも良かったです。


『アンブレイカブル』と『スプリット』にもストーリー上で、とある繋がりがあって、「なるほどなぁ♨️」って思いました。

そして、今作のラスト。
自分は、良かったです。😭

これ以上はネタバレしないでおきます。

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(気になった点)

❶やっぱり日本人としては、「大阪タワーって、何❓」って思います。

❷イライジャの頭の良さ云々より、あの精神病院のセキュリティーがザル過ぎますね。😅

❸それにあの病院のスタッフが、みんな性格が悪そうなのが何か嫌でした。🏥


話が少し変わりますが、自分は少年ジャンプの『ONE PIECE』が、昔は大好きだったけど、もう読まなくなって久しいです。🏴‍☠️
読まなくなった理由は沢山あるんですが、「リアリティのない悪役に腹を立てるのがしんどい」のがその理由として間違いなくあります。
主人公が海賊である以上、海軍さえも悪く描かないと、主人公たちがヒーローになり得ないんでしょうが、現実社会でそんなに真っ黒な人っていないと思います。⚓︎


だから、彼らを悪人に設定するのは不必要だと思います。
「弱者だからといって、虐げられる理由にはならない」ってことをシャマラン監督は伝えたかったんでしょうから、それは分かるんですけどね…😅。

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今作の上映時間は129分。
これまで自分が観てきたシャマラン監督作品は全部110分程度だと思うので、一番の長尺作品なんですが、全然長いとは思いませんでした。⏳
前のレビューの『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、話が分からなかったので、かなり長く感じました。😅


今作を観て、「辛抱して今までシャマラン映画のファンでいて良かった😂」って言う人も沢山いたようですね。
セ・リーグ優勝した時のカープファンに似てます。



まぁ自分は、今年に入ってシャマラン監督作品を沢山観ました。このFilmarksをやっていなかったら観てなかったと思います。いろいろありましたけど、観てきてよかったです。
それも含めてスコアは少し高めにしました。でも、この3部作が完結して好きなシリーズになったのは間違いありません。👍


さらに続編が出る可能性もあるそうですけど、正直、それはあんまり望みません。
今作は三部作の完結編として見事な着地をしたと思います。💮