takanoひねもすのたり

マッド・ダディのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

マッド・ダディ(2017年製作の映画)
3.3
ダディだけじゃなくてママもだよ!

その日はいつもと同じ日だった。だけど突然親が我が子に殺意を抱き凶暴化した。
ブレント(ニコラス・ケイジ)とケンダル(セルマ・ブレア)夫婦の場合も例外ではなかった。
程よくクソ生意気な長女カーリー、遊びたい盛りの長男ジョシュが、目付きが怪しく殺意を漲らせた両親から逃げ回る。

子殺しというタブーに、倫理観をかっ飛ばした勢いで振り切る。
父性愛・母性愛なにそれ?お前らは俺の子だからぬっ殺す!kill!kill!kill!だぜ!!
やってることが倫理的にアレなためか、殺戮シーンは非常に抑えめ。
エッジがはっきりした映像に、揺れる視点、ちょっと酔いそうかも…と思った辺りで目が慣れた。

親である前に1人の人間、娘につれなくされたら傷つくし、育児でブランク空き過ぎて復職希望を鼻で笑われたら悲しい、週6日働いてるんだから自分の空間だって欲しい、毛髪だって増やしたい、親だってなー、辛いこともいろいろあるんだよ!
そんなこんなが、ぱあんと弾けちゃって、パパは万能のこぎりをママは肉叩きを手に我が子を殺すため手を変え品を変え追い詰める。
子供だって黙って殺られる訳にはいかない、そこで始まる攻防戦。

カーリーの彼氏のデイモンが、頭を叩き潰され、ハリガネハンガーが頬を貫通し、階段から落下したのに生きているのに爆笑。お前は不死身か。

そしてニコラス・ケイジの安定の顔芸。
「クソガキども!」
「カァ↑リィー↓、ジョォ↑シュゥ↓」の台詞の抑揚と表情に笑いが…ボールが頭に直撃して妙な間をつくるニコラス、髪がチリチリになるニコラス、臀部を刺されて「んおほぉー↑」と叫ぶニコラス…頼む笑い殺す気か。

突然のドリフトで盛り上がってきた!という処で、突然のエンドロール。
空中に放り出された気分でちょっと呆然…いや面白かったからいいんだけど。
でももうちょっと観たかったんだけど。
まあ面白かったからいいんだけど(エンドレス)