てる

マイティ・ソー バトルロイヤルのてるのレビュー・感想・評価

3.6
ソーが好きになってきた。
結構深刻な出来事が起こっているのに、少しコメディ色があるのは、ソーという少し抜けた主人公のおかげだろう。面白かった。
今回の話しは唐突だ。今までなんの伏線もなかったソーの姉が突如出てきて、アスガルドをめちゃくちゃにくる。あまりの急展開に呆然としてしまい、果たしてこの作品は面白くなるのだろうかと疑問に思い始めた辺りでハルクが登場する。
そこからのソーとハルクのコンビが面白い。常識知らずだけど善良なソーが、モンスターのハルクを宥めたりするのは、アベンジャーズでは観ることはなかったし、このとんちんかんなコンビが中々微笑ましい。
そして、この二人のバトルもこの作品の見せ場の1つだろう。髪を刈られ、ムジョルニアを失った彼が、アベンジャーズ最強のハルクと果たしてどのように戦うのかと思いきや、新たな力を覚醒する。
そういえば、雷神っていう設定あったなと思い出した。今まではムジョルニアの力で、肉弾戦で戦ってきたが、X-MENみたいな特殊能力で戦闘能力が一気に飛躍した様子だ。
ハルクを圧倒する力は爽快感があった。
とはいえ、その力も持ってしても最強の姉には敵わず、全然別の方法で勝ち逃げする。
こうストーリーを振り返ってみると中々纏まりがない作品だ。スピード感があるし、バトルも面白い。コメディ色も交えたりして、作品自体は飽きない構成になっているが、次の作品に向けての通過点くらいな内容にしかなっていない。
前置きもなく出現するヴィランや新たな力の覚醒。そのヴィランの背景も濃いようだけど、いまいち印象的ではない。しかもヴィランを差し置いて、違う惑星で新たな仲間作り。そちらの方が面白かったけど、肝心のヴィランとの話しとズレているのは否めない。さらに、その仲間を獲得したものの、最終的にはあまり役にたっていない。新たな力もそうだ。
しかし、そんなお粗末な内容でも面白い作品に仕上げているのは、演出や俳優のおかげだろう。
最後のアベンジャーズの話まであともう少し。我慢して、楽しみにして最後まで神妙に観ようではないか。
てる

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