通常の倫理観では許されないくらいのクズっぷりを見せてくれるロダン。
でも芸術家ってそういう既定の価値観や考え方を壊す存在でもあるから仕方ないと思ったりもする。
石川啄木とかもあんなに美しい言葉を残してるけど、実生活は中々のすごさだったみたいだし。
そういう驚異や嫌悪感を抱く生活の末に多くの共感や感動を呼ぶ作品が生まれるのは本当に不思議。
なによりこの映画を見ていても芸術家ロダンは魅力的。
観て、描き、刻み、触れて、肉付けしていった末に、自分の分身として永遠の命を宿した作品が生まれている。
ただの物質に人間という生命を宿すためにはとんでもない愛情を持っていないとできないのかな。
ピカソもジャコメッティもみんな愛がおさまらないような印象。
まぁただの絶倫かもしれないけど。
映像のトーンと色味、陰影世界の表現、アトリエの雰囲気がかっこよくて好きでした。
