【第70回カンヌ映画祭 コンペティション部門出品】
『アンカット・ダイヤモンド』サフディ兄弟監督作品。カンヌ映画祭コンペに出品されサウンドトラック賞を受賞、インディペンデント・スピリット賞では監督賞など5部門にノミネートされた。
サフディ兄弟監督作品は初鑑賞かな。なかなか興味深い作品だった。底辺で生きるある兄弟の肖像、ラストはしっかり収まるべき所に収まり好感が持てる。
ロバート・パティンソンが兄を演じるが、スターオーラを消し去り貧しい男を演じ上げている。弟を演じた監督の一人であるベニー・サフディもよかった。
「グッド・タイム」という皮肉なタイトルもより悲壮感を演出する。予想されるストーリー展開から少しずつ外し斜め上の展開を見せる。サフディ兄弟の底辺に寄り添う演出がとてもいい。
悲惨なだけの話にせず、兄弟の絆や社会構造にしっかりと切り込んでいく姿勢がとても優れている。
アート映画ではあるが、アクション的な見せ場もありエンタメとしても成立させている。サフディ兄弟のリアリティ溢れる作風と変わったストーリーラインが上手く融合した秀作。