ちろる

狂覗のちろるのレビュー・感想・評価

狂覗(2017年製作の映画)
3.9
解き明かされる中学生の性の実態・・・
といってもエロスではないです。
残酷なほどに「学校」を抉るミステリーホラーでしたが、
ストーリーはまるで菅田将暉さんがやった3年A組のドラマの胸糞版のようで、「こんな学校やだ!」と恐らく誰もが口を揃えて言い切るであろう学園ものです。
想像していたよりもずっと刺激的な話だし、演技も演出も多少荒削りなところはあるけど、独特なカメラワークや映像の雰囲気はユニークで、とにかく熱量が半端ない。
ほとんどが一つの教室で繰り広げられ、舞台のような仕上がり。
タイトルは、狂覗と教師を掛けていたのだが、えげつなさちょっとのグロより何より人間という生き物のの狡猾さ、汚さ、弱さをこれでもか!って画面に打ち付けられてきつい。
中学生の生態について始終語られながらもその女子中学生たちの顔は映らず、より得体の知れない不気味さが漂い、その代わりに、一つの教師で絶え間なく会話を続ける教師たちのクセの強さには嫌悪感すら覚える。

でも、考えてみて、
これはまるで今の私たちの住む世界のよう。
SNSで、イジメあってる生徒たちは私たち国民のようだし、自分たちの悪事は隠蔽して、我が顔で臭いものに蓋をする教師たちは政治家のよう。
閉塞感の中で、居心地悪はずっと悪いけど、視点を広くしてみればなかなかメッセージ性の強いストーリーだと思うと考えさせられる作品だったので、低予算の中で作り込まれてるなるほどな作品なので、是非たくさんの人に観て欲しい作品でした。
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