Kuuta

リバー・オブ・グラスのKuutaのレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.0
急に始めたライカートマラソン。デビュー作にして面白いし完成度高い。

八方塞がりのフロリダ。母離れできない男はタバコに火が付かず、家庭のために夢を捨てた父親は拳銃を落とし、結婚後も家庭に関心の持てない女はモノローグに耽る。

抜け出せなくても、「一線を越えようと」違う場所に向かう間だけは心地よい。次の章への入り口になる父のドラム。犯罪者になることは結婚よりも遠くに行くことと感じながら「ゴキブリが殺せたかどうかも分からない」し、男は女にモーテルにとどまるように言う。彼女も男同様に金がなく、どこにも行けないはずだが、自ら車を運転して越境を試みる。ロジカルに進まない映画の空気が、最後の彼女の行動に回収されるのが見事。80点。
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