落ちるところまで落ちたシリーズ。


【さっちゃん】

実家を取り壊すことになり、最後の記念に撮った映像。
誰もいるはずのない押入れから物音が・・・


幽霊が出るまでの流れだけは良いと思うのだが、幽霊が出現からの一連の行動がかなり余計。
そのまま投稿者の夫が幽霊から逃げて終わりで良かったのに、首を絞めたり幽霊が夫の体内に入って爪を剥すなど一線を越えすぎている。
確かに「封印映像」シリーズは他の投稿物に比べて少々ぶっ飛んでいる部分もあるが、ここまで来ると正直白けてしまう。

また、本作は今までのシリーズの中で特に演技が下手に思えた。
これまでは、投稿者へのインタビューシーンは通販番組でよくある健康になったアピールしているおじいちゃんやおばあちゃんクラスの下手さであったが、肝心の投稿映像に関してはそこまで演技をしているようには感じられなかった。
しかし、本作では通販番組クラスの演技を投稿映像でもしている。
一体何があったんだ！！

夫「電気も停められてるんで暗いですぅ～～。」

と不自然過ぎる状況説明をするシーンがあるのだが、映像を観る限りでは普通に太陽の光が入って明るいのだが・・・。
暫くしてから投稿者が長い髪の毛を複数本発見するのだが、そもそも暗かったら髪の毛なんて分かりにくいものを発見できないのではないか・・・。

演出面でも違和感を覚える部分がある。
幽霊が上の階にいる事を視聴者に分からせる為に、上の階から歩いたり走ったりするような音を出し、

夫「気のせいだろ、ネズミの音なんじゃないか？？」

というシーンは、ホラーでは良く使われる手法でこれをやる事に関しては何ら異論はない。
ただし、本当にネズミが走りそうな音を使う事に関しては納得がいかない！！

普通そこは人の足音だろ (ง `ω´)ง
視聴者にまでネズミの足音って認識させてどうすんだ ヽ(☆`Д´ﾒ)ﾉ
しかも、幽霊1階にいるんかい ( ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ
せめて2階に潜んでろよ (#ﾟДﾟ) ｺﾞﾙｧ!!
てか、勝手に床下に埋葬したって話してるけど、普通に犯罪じゃねーか (　ﾟДﾟ)ｳﾞｫｹ!!


【ダム湖】

ダム湖で釣りを楽しむ様子を捉えた映像。帰り道、背後から投稿者を襲う異質なモノとは！


寝袋に入ったような感じの幽霊が芋虫のように襲ってくるので、遅いしメイクは微妙だし全然怖くない。
そもそも投稿者は寝袋幽霊が出ても全く動じず、体調不良の事ばかり考えている。
寝袋幽霊の動きが遅いから、友達を担いで簡単に逃亡できるし・・・。

友達が湖に着いた頃からずっと、

友達「寒くね～～？？」

と言っており、恐らくスタッフは霊的なものが近くにいる事を暗示する意味でこういった事を指示したのだと思う。
ただ、場所がダム湖という事とその時期が冬という事もあり、霊的ではなく普通に寒そうな場所にいるから友達がそういったセリフを発したようにしか思えなかった。
そりゃ冬の湖は寒いだろうし、途中で体調不良になってもそこまで不思議ではない。
せめて、季節が夏だったら良かったのに・・・。


【離苦悲唄】

民謡に関する問い合わせと一緒に送られてきた映像。
女性がゆったりとした民謡を歌い始めると次々と奇怪な現象が起こる！


発想自体はいいのだが、色々とやり過ぎてしまっている。
女性が民謡を歌うと画面が乱れ、女性が老婆の顔に変化し、どこかから老婆の歌声が聞こえてくる。
これだけで良かったのに、老婆の歌声を加工したり、メトロノームが急に速くなったり、女性が吐血したりと白ける演出を加えている。
特に老婆の声は、加工せずにそのままの歌声の方が雰囲気が出ていたと思う。


【シャドーピープル 包帯少女】

マンションの監視カメラの映像。深夜、廊下に黒い人影が映る。
霊能力者ジョンに霊視を求めるが・・・・


「ほんとにあった! 呪いのビデオ」の監視カメラシリーズに近い。
本家より、分かりやすかったが、その分恐怖の面の質は悪い。
素直で純粋な女の子の幽霊がインターフォンを押しただけなので微塵も怖くないし、考え方によってはほっこりする。

「封印映像23」より霊能力者ジョン・クロウがたまに出現するようになったが、こいつが出ると大体つまらなくなる。
ジョン・クロウが頭の中に浮かんだイメージを絵に書くが、絵心ない芸人に出れるくらい絵が壊滅的に下手くそだ。
多分、草なぎか浜田並みに酷い。
本人は池を書いたと言っているが、どう見ても岩にしかみえない。
次の絵も自信満々に、池に怪我をした女の子を書いたと言っているが、岩に張りついてるアリを書いているようにしか見えない。

一応、原因究明の為にジョン・クロウは呼ばれたのだが、そこらの主婦から真相を聞けるので呼んだ意味がほとんどない。
ただ、自分が絵心事を世に知らしめただけである。
前作では幽霊怖いと逃亡したし、封印映像のスタッフは何故ここまで使い続けるかが謎だ。


一応、「封印映像」シリーズは全て鑑賞しているが、「封印映像7」以降シリーズを追うごとにどんどん酷くなってなってきている。
ここまで観たのだから次回作も鑑賞はするが・・・。
監修を鬼塚リュウジンから児玉和土に戻して、昔のような質の高い映像をもう一度見せて欲しい。

忌み唄というものを取り扱った話は興味深い。
歌えば死ぬ歌なのだが、取材側はそれを歌わずに済ませてるのが、特に良くない。
歌えよ。
歌を歌わずに真相究明もくそもないだろう。どういうことなんだよ？
面白いネタも、あと一歩つっこまない。
ううむ。

何も調べないで「〜なのだろうか。」で締めるところに調査の依頼などしてはいけない。

そして、少女の霊に英語しか話せない外国人霊能者の話は本当に伝わったのだろうか。