このレビューはネタバレを含みます
体に心が置いていかれることの絶望感。
まだかなしみも癒えていない、憎しみも消えていない、怒りも静まっていない、なにひとつ乗り越えられても受け入れられてもいないのに、体は悲劇が起こる前へと戻ろうとしている。
生理がはじまり、女としての復活を告げてくる。
なんと無情なのだろう。
だから彼女は終わらせることを決めたのだと思う。
一度向かおうとしていた場所に、再び向かうことを決めた。
愛する家族が待つ場所へ。
愛する息子の呼び声に応えるように。
あまりに残酷であまりにやりきれない映画でしたが、観てよかったと思います。