きえ

女は二度決断するのきえのレビュー・感想・評価

女は二度決断する(2017年製作の映画)
3.7
当たり前に続く筈の幸せな日常が突如暴力で奪われる不条理。最愛の家族を失った女を更に傷付けていく社会の不条理。女は二度心を殺される。主人公に共感する程に苦しく痛い時間が続いた。そして…女が辿り着いた決断(一度目と二度目の違い含め)に衝撃を受け暫しフリーズした作品。

主人公を演じたダイアン・クルーガーの喜怒哀楽感情爆発演技が素晴らしかった。妻として母として幸せな頃の『喜・楽』、叫んでも叫んでも吐ききれない理不尽な悲しみと絶望の『怒・哀』…彼女の感情の揺れに否応にも感情移入させられ自分ならどうするか常に思考が並行した。

鑑賞した誰もが裁判シーンに感情を震わせるだろう。人が人を裁く事の難しさ、司法は必ずしも被害者に寄り添うとは限らない現実。揺るぎなく正義が侵されない場所はあるのか?正義とはそもそも何なのか?などと色々考えさせられた。
きえ

きえ