風来坊

ビューティフル・デイの風来坊のレビュー・感想・評価

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)
3.0
極力説明を省いて観ている側に想像させて、主人公の生活を淡々と描いて、情緒的で幻想的な映像と殺伐としたバイオレンス。カンヌ国際映画祭の脚本賞と男優賞を受賞したのも分かる。カンヌの審査員が好きそうな玄人向けの映画という印象。

脚本賞は疑問ですけど、ホアキン・フェニックスが男優賞を受賞したのは納得です。最初はホアキン・フェニックスと分からない程にらしさを消していて驚きました。不安症状と戦いながら惰性で生きてるような主人公を情感たっぷりに演じていました。生気の抜けた暗い目が印象的でした。

主人公の精神を蝕むトラウマの描写が唐突に入り過ぎて物語を複雑にしている印象。きっと症状は突然襲うという意図しての事なのでしょうけど個人的には苦手。淡々とし過ぎて凄い凄惨な事が起きているのに、何故か悲惨さを感じない。

皆さん言うように「タクシードライバー」ににています。しかし、「タクシードライバー」ほど荒々しくもないし、尖ってもいない。
この独特な雰囲気はやはり映画通ほど唸るという感じ。面白くないという訳ではないですけど、B級アクション好きな自分には難しくて良さを完全には理解出来ない感じでした。
風来坊

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