まりん

ラブレスのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

ラブレス(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いつか、親になったら解るかもしれない。
聞える言葉が全てでは無いと。
嫌いながら祖母に似て行く母親と、避妊しないで無責任に人の人生を狂わす調子のいい父親。
最初から愛が無い訳じゃない。妥協だろうと逃避だろうと、そこに救いを求め、愛を育もうとしたはず。
だけど心は冷めて行く。止める事は出来ないと知っている。愛は永遠なんかじゃない。

だけど違うの。あの言葉は、君に向けたものじゃない。自分の満たされない現状をお互いのせいにして、傷ついている分だけ相手を傷付けたくて。それで産まれた言葉なの。
多分、母親も追い詰められて、心がささくれているの。八つ当たりしたり、育児放棄していても、居なくなれば良い・・とは思わない。不幸になる事を望んではいない。どこかで、幸せでいてくれればいい。それは身勝手だけど。
親も弱いのだと、いつか気が付いて欲しい。人はそれに気が付くために親になるのかもしれない。
確かに最低だけど、両親は探していると、心配していると、望んだ生活を手に入れても、もう元のように笑えないと知って欲しい。

両親の、喧嘩の応酬を立ち聞きして、声にならない悲鳴を上げる少年の表情が忘れられない。
まりん

まりん