2020/02/02
主人公ラッキー演じるハリー・ディーン・スタントンの遺作。
「遺作」として紹介されてしまうのはあまり好きではないけれど、この作品に限っては、そう言って良い程の運命を感じる。
起床し、歯を磨いて髪を梳かし、ヨガをしてコーヒーを飲む。同じ服に着替えてカフェへ。クロスワードパズルを解き、夜はバーで酒を飲む。そして帰宅し眠る。
このルーチンが当たり前に毎日続くものだと思っていたハリーが、ある日「死」というものを意識するようになる。
「死」とは何なのか。
哲学的で難しい問いに対して、ハリーは少しずつそれと向き合い始める。
その過程や心理描写、そしてハリーの日常が絶秒なバランスを保っていてとても惹き込まれる。
ラストのハリーの表情が目に焼き付いて離れない。
