いがらっしー

母という名の女のいがらっしーのレビュー・感想・評価

母という名の女(2017年製作の映画)
4.3
ミシェル・フランコ監督の前作「或る終焉」も衝撃的だった。これもまた不穏で不安定な世界観をみせてくれた。そんなにアップの映像や台詞の応酬があるわけでもないし、音響効果等で後から編集され強調されているわけでもないのに、人の感情の動きが痛いほどよく分かるし、長回しが多用されていた。
最初から最後まで、予測不可能な感覚に陥る。
それは吊り橋効果の様な感覚にも似ていて、内に秘めた欲望をいつの間にか観客にも味わわせてくれる。
これからどうなるのだろうという不安感のままのラスト。
結局、この女は母親でないだけでなく「人でなし」だった。女は子どもを産みさえすれば母親になれるわけではない。
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