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女王陛下のお気に入りのogagawawaのネタバレレビュー・内容・結末

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

あの監督が普通に大河モノを撮るわけないとは思っていたけど、思いのほか見やすくて、やっぱり後味が悪い。全編から漂う不穏、悪趣味、ジョーク。そして、愛。愛とは。時代感をおそらくわざと無視したであろう衣装、自然光だけの明かりがかえって新鮮で、不気味な音楽と魚眼レンズは宮廷は美しくも歪んだ構造を映し、3人は滑稽にも見える。最後の虚無みたいな2人の表情に、重なるウサギが忘れられない。アビゲイルはきっとウサギのようにアンに飼われるのだ。地位と生活を代償にして。ひとりになったウサギは寂しくて死んでしまう。愛を失い、実質ひとりになったアンは、死んではないものの、どんどん生気を失っている。アンもまたウサギだったのか。サラはアビゲイルの策略も含めて、アンによって放たれ、地位と権力を失った。奪われた。それは放たれた刹那に撃たれる鳥にも見える。しかしアンは自ら手放したはずのサラが戻ることを願ってしまっている。アンがなによりも大切にしていたウサギをサラは決して触ろうとしなかったが、無下にも扱わなかったはずだ。容易くウサギを抱いたアビゲイルが陰でそのウサギを踏んでいたのを、アンが見たとき、自分は嘘をついていないからというサラの言葉を思い出す。アビゲイルに対してというより、気づけなかった自分に対しての怒りを感じたのだろう。誰も報われないまま、日々は続く。


あと、これはどうしても言及しなければいけない本作の魅力について簡潔に。


エマ・ストーンのおっぱい丸見え!
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