ふみ

ザ・スクエア 思いやりの聖域のふみのレビュー・感想・評価

3.9
現代アート美術館で新しい展示「ザ・スクエア」を披露するにあたり、トラブルに巻き込まれる話。

昨日見た「フレンチアルプスで起きたこと」がめちゃめちゃ気に入ったので同じ監督の作品を見てみました。結果良かったです。こちらもかなりどぎつい皮肉が効いてます。

最初のインタビューの時点で薄っぺらい男だっていう印象をこっちに植え付けた上で
・部下にビラをまかせる
・車の傷を隠したい
・誰とでも寝る男と思われたくない
・子供に謝らず理屈を並べる
・自分は関係ないの一点張り
こんな風にうっすいプライドの上で威張り散らしてる主人公に心底イラつきます。

ここまでは前作とあまり変わらないのですが、今作は集団の無関心というテーマにもぶっ込んでます。物乞いのシーンと、宴会の猿のシーンです。余程の危機にならないと誰も目を向けない。炎上してるけどあんたら物乞いの前素通りしてるじゃん!あーもう!嫌!
福祉国家のイメージがあるスウェーデンですが、本質的には日本とあまり変わらないのかもしれないと感じました。調べてみると、スウェーデンは北欧の中でも移民を受け入れる政策を取ったせいで、国民の離職率が上昇し幸福度は北欧最下位だとか。移民への恐怖感で他人への無関心が生まれたのかは分かりませんが、2時間半ひたすら心がムズムズします。倫理的には正しくないけど、自分も似たような行動取ってるなと。

鑑賞後のイライラ感はこっちの方上だったのですが、かなり難解になっていたので前作の方が好きでした。

2作通して学んだのは、謙虚に生きること。
ふみ

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