ダビンチ

ザ・スクエア 思いやりの聖域のダビンチのレビュー・感想・評価

4.1
居心地が悪い傑作でした。
人に優しくとか思いやりを持ちましょうとかよく言われているけど実際、実行するのは難しい。
「ラブレス」と同じではないが、この作品も人間の嫌なところをついている作品です。
例えば大勢がいるところで助けが必要な人がいた時、みんなどうせ誰かがやってくれるだろうと思い、結局見て見ぬ振りをしたりする。
人から指名されたくない時とかめんどくさそうなことと関わりたくない時、みんな目を伏せて知らないふりをする。
後になって、あの時、行動しておけばよかったと後悔する時がある。
主人公はプライドが高く、嫌なことは忘れようとしたり、無責任な人として描かれている。
なんだか、今の日本の官僚たちを観ているみたい。
最初は、そういうことってあるとか思って笑える部分もあるのですが、観ているうちに居心地が悪くなってくる。
そして観終わった時には、なんだか自分のことのように思えてきて嫌な気分になる。
人間の嫌な部分の描写を積み重ねて描いている作品です。
そういう描写を見せられるけど別に解決はしなくてただその描写を見せている。
後は「この作品を観たお客さん、どう思いますか?」
と投げかけてくる。
本当に素晴らしい作品なんだけど居心地が悪くなる作品でした。
ダビンチ

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