Col

ザ・スクエア 思いやりの聖域のColのレビュー・感想・評価

3.8
問題提示の手法がユニークな作品でした。
好みは分かれそう。

芸術は人の想像を掻き立て、引き出しその価値は当事者に委ねる。制作側のその現実から遥か遠く飛躍したイマジネーションを作り出し、人に豊かな感情を与えること意図であったり、自己を主張するための意味を持ち合わせしたりする。ただ芸術が良いものだと地に足つかないとこに囚われるとモンキーマン。より目を凝らし感じなくてはいけないものは側にあり、点在する問題は見ないフリ。知らないフリ。ただ仮に問題が一つ解決すればまた問題浮かぶ。スリから財布が取り戻せたら、また迷惑が他に迷惑が降りかかる様に。得た権力でなんて、なんの解決ならない。チンパンジーな異性がよってくるだけ、問題が増えるだけ。増えすぎた問題で手が回らない、今が忙しすぎる。と、放っておいた事案はネットで大炎上。問題なのは表現方法なのか、現代人のメディアの関心毎の変化か。ネットで関心を得るのは悪いことなのか。最先端の技術が古来の宗教団体も動かす。常に螺旋階段のようにぐるぐる回る問題提示の堂々巡り。現代の実情・問題を並べた本作。並べられた問題は何一つ解決しない。少年家族の謝罪一つとっても。

この映画の価値、答えは見た当時者に委ねた芸術にも似せた風が小憎い本作。面白かった。

ミシェル・ハネケの『71・フラグメンツ』を思い出した。
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