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素敵なダイナマイトスキャンダルのMinCのレビュー・感想・評価

4.0

「芸術は爆発だ」と言った人がいますが、僕の場合お母さんが爆発でした。

↑これは決して比喩ではない。
幼少期に母親が隣家の息子とダイナマイト心中なんて、にわかに信じられないようなことが実際起きてしまった編集者末井昭氏の自伝が原作。

私は末井さんという方をこの映画を通じて初めて知って、NEW SELFもウィークエンドスーパーも写真時代もパチンコ必勝ガイドも知らず(見てみたい!)原作の文庫を入手、一気読みして試写に臨みました
今の時代だったらこれじゃ済まないような(正真正銘スキャンダルとしてワイドショーの餌食になり、散々叩かれ、行き場をなくすまで追い込まれるとか)それかwww.の裏サイトにでも潜ってしまうのか、、平成も終わろうとしているいま、昭和の時代ならではのテキトーな猥雑さというか(ダイナマイトの管理がずさんなこととかも)、ある意味あっけらかんとした無茶苦茶さが面白い。

柄本佑さんが、若かりしスエーさんによくハマり、文化とサブカルと猥雑さのブレンディが絶妙。変幻自在というか、鬱屈とした青年時代、80sバブリィなイケイケ編集長時代、本気になっちゃった愛人とのメロメロ情事、描きようによってはかなり悲惨な話しなんだが、素敵にスリリングな人生を素敵に乱高下。ストリーキング、赤いイヴ・クラインだよ。

それにしても、菊地成孔さんの「荒木さん」がコレまたハマり過ぎてて、とてもいいんです〜よくぞ口説き落としてキャスティングしてくださったなぁと感激。衣装自前かな?菊地さんは今後事の次第によってはタモリとか赤塚不二夫とかレヴェルの存在になるか、リリーさん並みに俳優業も引っ張りだこになるか、とすら思った。

嫌味な上司・杉山ひこひこさんとか、ハーモニカの男・松浦祐也さん(『ローリング』では花柄ショーパン)とか冨永組常連?な役者さんが脇を彩る。そういうとこも行き届いているなぁと。
中身がギッシリなんで、連ドラにしても面白そうだなぁ。あでも お色気満載♡放送禁止用語だらけだからTVは無理かな?笑笑
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