猫

素敵なダイナマイトスキャンダルの猫のレビュー・感想・評価

3.3
映画の出来云々以前に
この作品が好きか、嫌いかといえば
嫌いです。
主人公のエッセイが原作の、自伝のような話なんですが
キャバレーやエロ雑誌についての「画」は、
苦手だけれど薄目で見れば大丈夫なんですが
母親のシーンを何度も織り込むのが、許せなかったです。
確かに子ども時分に経験したことで
原作者の心に深く残っていることだろうけれど
映画において
他人が
まるでそれが全ての原因みたいに描くのに、とても抵抗力がありました。そんな風に描かないで欲しかったです。
…他人の私が言うことではないと思うのですが…
お母さんが
なんだか気の毒でした。
あの時代
用いた道具と方法は、刺激的なものだったかもしれないけれど
そうせざるを得なかった、のかもしれないと思うからです。
末井さんの人生の転機において
その原因の全てがそこに集約されるようなカットの仕方が
私はとても嫌でした。

映画としては俳優さん達は
みんな頑張っていたけれど
話にまとまりがなく(原作があるから?)
だらけた感じに仕上がってしまったのは残念でした。時間も長かったし。
後半の前田さんは、もう少し
老けるか、やつれさせた方がリアルだと思いました。

 2018.4.2 センチュリーシネマにて観賞
猫