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散り椿のTOTのレビュー・感想・評価

散り椿(2018年製作の映画)
2.5
妻への愛と、青春を過ごした友への義と。
ブロマンス要素を多分に含みながら、真面目な時代劇。
粗筋とロケーションと殺陣は良い。
でも、良い素材をそのまま映せば、良い映画になるわけではない。
背景に風光明媚な建物や林、前景に人物3人以上全身ショットの時の構図はまだいいけど、2人以下になると腰上/胸上/クローズアップが多くなって、ロケーションと人物の動きが死ぬ。
殺陣はカメラが固定すぎたり編集が緩慢すぎたり。
役者が台詞を話す時、決め台詞ですよ〜とばかりに毎回彼らの顔に寄るのは演出も絵も貧相。
場面転換で何回も入るスローモーションも、撮影素材を後からチェックして、少しアクセントが欲しいねっていう、なんのビジョンも感じない。
エンプティショットの連なりも、環境ビデオかよ、っていう空っぽの「美しさ」だし、辛うじて役者は秀でた演技がたくさんあったぶん、カメラ編集や通り一遍に劇的な音楽にイライラした。
柳楽優弥、池松壮亮、芳根京子のフレッシュさ異質さは印象に残ったけども。
あと手書きキャストロールは良アイデア。
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