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さよなら、僕のマンハッタンのnozomiのレビュー・感想・評価

3.8

シティボーイの青春ドラマ映画。

ニューヨークの高級住宅地で生まれ育ったトーマス・ウェブは、大学を卒業したが未だに進路を決められないままだが、親元を離れて一人暮らしをしている。

トーマスの家族は、出版社の社長を務める父のイーサンと、双極性障害の母ジュディス。

トーマスはミミに想いを寄せるが、彼女には本命の彼氏がいるので相手にされず。

そんな時、トーマスの隣にジャラルドと名乗る風変わりな中年の男が引っ越してくる。最初はジャラルドを相手にしないトーマスだったが、彼の深いアドバイスに次第に耳を傾けるようになる。

トーマスはある日ミミとナイトクラブに出かけたが、そこには知らない女性と浮気をする父の姿があった。

ショックを受けたトーマスは、浮気相手の女性を尾行し「父と別れて欲しい」と頼むことを試みる。

「風変わりな隣人」「浮気相手の女性」との出会いが退屈で平凡なトーマスの人生に変化をもたらす。

「gifted/ギフテッド」「(500)日のサマー」のマーク・ウェブが監督を務める。

舞台は現代のニューヨークだが、そこに60年代に活躍した「サイモン&ガーファンクル」「ボブ・ディラン」などの曲を合わせるという監督のセンスに脱帽。

高層ビルの建ち並ぶモダンなニューヨークの町並みの中に残る、趣ある建物と流れる音楽が不思議な懐かしさを感じさせてくれる。

マーク監督が10年以上映画化を熱望してきたという脚本。この脚本、とにかく完成度が高いのではないかと思う。

文学的で意味のあるセリフが多く、心に残る言葉が沢山あった。削れるセリフは無いのではないか、と思う位洗練されていたように感じた。

そしてひとつひとつのセリフに散りばめられている伏線と物語後半で明かされた真実にはとても驚かされ、泣かされました。

青春映画が好きならきっとこの映画も好きだと思います。是非。
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