HidekiAndo

さよなら、僕のマンハッタンのHidekiAndoのレビュー・感想・評価

3.9
『最良の者が信念を失い
最悪の者が活気づく』

トーマス(カラム・ターナー)は、先に進まないミミとの関係に嫌気がさしていた。
そんな時、隣に引っ越してきたW.F.ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)。彼は含蓄のある言葉で、トーマスに指南する。

ある日父イーサン(ピアース・ブロスナン)とジョハンナ(ケイト・ベッキンセイル)の浮気現場を見てしまったトーマスは、別れさせようとジョハンナを尾行する事に…。

なるほどですねぇ。
こちらも気になりつつ、劇場鑑賞出来なかった作品です。
観てて、トーマスの『言ってる事とやってる事のかけ離れぷり』にイライラでしかありませんでしたが、次第に『何がしたいのか、自分でも分からない。良かれと思ってやろうとしてるのに、その真逆をしてしまう。そーゆー時期ってあるよなぁ』と、気持ちの良いヤツではありませんが、トーマスへの『共感 理解』も芽生えてくる、という不思議な作品でした。
『将来に希望を見いだせず、衝動的に動く、インテリなトーマス』のあり方に、『現代版ビートニク』を感じました。

そして、淡々とした物語でありながらも、『えぇぇ!?』という驚きもちゃんとあり、面白かったです。

昔のような『熱を失ったニューヨーク』に失望しながらも、変わり続ける『街=人間』を、トーマスの変化を通じて、温かな目線で描いていました。

若い人には『共感』、自分のようなオッサンには『ほろ苦く』、というように、観る者それぞれの現状によって、色んな感想が持てる作品なのでは?と思えました。

ジェフ・ブリッジス、カッコ良すぎますね。
HidekiAndo

HidekiAndo