アサミ

ラッカは静かに虐殺されているのアサミのレビュー・感想・評価

5.0
評価を点ける作品では無いと思うが評価の高さが一つの鑑賞の基準になるなら迷わず満点を点けます。

これが現実であり真実。
銃声も、処刑の様子も、全てが本物で、今まで限りなくリアルだと思っていた映画のシーンが、どれだけリアリティを追求していてもやはり作り物だったのだと思わされる。

ぬいぐるみを斬首する小さな子どもが忘れられない。
洗脳とは恐ろしいものだ。
未来を担う子どもたちが汚い大人によって間違った道へと導かれていく。
こんなに悲しいことはない。
その一方でRBSSのメンバーが父親となり、一同で誕生を祝うシーンがある。
生まれたばかりの小さな身体で精一杯の声を上げる姿に命の輝き、尊さを感じ思わず涙が滲んだ。

この作品を観て今の自分に何が出来るわけでも無いのだけれど、せめて忘れないでいよう。
今も命を懸けて闘っている市民がいることを。
私たちと何の変わりもない、ただ日常を送っているだけの人々が命の危険に晒されている。
私にはただ祈ることしかできない。
これもまた現実なのだなあ。
アサミ

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