ぶりりん

ラッカは静かに虐殺されているのぶりりんのレビュー・感想・評価

4.0
ラッカで活動する市民ジャーナリスト集団を追ったドキュメンタリー。当然現地には入れるはずがなく、ラッカ市内の映像はすべて市井の人たちの命がけの撮影によるもの。
カメラは主にトルコ、ドイツに渡り現地からの映像を世界へ発信している若者たちを追う。送られてくる映像は想像以上の凄惨さで、ISの非道ぶりが伝わってくる。

シリアのダマスカスは世界最古といわれる美しく歴史ある街、アレッポなど他の都市も負けず劣らず歴史価値のある街並みが存在していた。
それが反政府の平和的デモからあれよあれよと暴動になり内戦へそして過激派の拠点へと信じられないスピードで崩壊していったシリア。先日ISの首謀者が米軍に追い詰められ自爆したと報道があった。とりあえずは終結だろうが、また別の新しい火種がくすぶり出すのが中東の複雑さ。

この映画に出てくるRBSSの活動が素晴らしく、紛争地に於けるジャーナリズムの在り方を考えさせられる。
乱暴な言い方だけど欧米その他のジャーナリストが活躍しても個人がクローズアップされたり英雄視される傾向さえあるが、ここでは無名の市民らの当事者目線でダイレクトに現地の様子が伝わってくる。もちろん諸刃の刃で活動家の家族にも危険が及び実際殺害される場面も。
でも反対にIS側にも客観的に自分たちを鑑みる機会になればテロリストに憧れる若者を止められるかも知れない。

‥と考えて香港の騒動をツイッターで見てみるとこれが虚実ない交ぜでいったいどれが本当の姿なのか。SNSの難しさですね。

余談ですがこれを観ていると、日本に表現の自由がない、言論弾圧などと寝言を言ってる某新聞や記者たち、億単位の身代金で助かっておきながら政府の悪口言うだけジャーナリスト等を思い出しムカムカが止まりませんでした。ホント余談ですけどね^_^
ぶりりん

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