モンティニーの狼男爵

ラッカは静かに虐殺されているのモンティニーの狼男爵のレビュー・感想・評価

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息を呑む。鼓動が五月蝿い。
私が知っていると思っていた「映画」の枠を優に超える『告発』

これ程までにリアルな「死」が付き纏う映画は初めてで、ひどく動揺してしまった。

かつて天国と呼ばれるほど美しかった街、ラッカ。過激派組織IS(イスラム国)の首都として占拠され、虐殺、洗脳の最前線となった。
この実情を世界に発信するため発足されたジャーナリスト集団、“RBSS”( Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)の活動を記録したドキュメンタリー。
元々はラッカで夜遊びに励む大学生であったり、数学教師であったりした彼らがISからスパイだと認定され、メンバーのみならずその家族までもが粛清対象となり、実父が撃ち殺される瞬間を見せつけられたり、斬首された遺体とその頭が柵に吊るされていたり、、血がどんどん冷たくなっていくのを感じた。本当にドキュメンタリーなのかと3回確認した。

いつ命を落としてもおかしくない彼らの姿、言葉、涙を今自分が観れていることに奇跡を体感したようだった。
思わず「Raqqa」でググッた。まじなんだ。。

こういうのを観ると、自分の中で色々と覆ってしまう。人生観もそうだし、やはりどんな表現もリアルには勝てない。

「私たちの言葉は間違いなく、彼らの持つ武器より強い」
というように、情報の拡散いわゆる世界が持つ多数決の力というのを実感した。
割とこのことをネガティブに捉えていたのだが(日本にいたらそうだろう)、「狂」は狂なのだ。

自分は平和ボケのおっぺけぺーだから、(なんでそこまで…)と思ったが、
「子供だけは守りたい」
「2年後自分はいないかもしれない」
という言葉にやはり自分はおっぺけぺーなのだと再確認した。


あー、アイドル番組までの繋ぎに観るやつじゃなかったなーwww