モンティニーの狼男爵

異人たちのモンティニーの狼男爵のネタバレレビュー・内容・結末

異人たち(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

あの日死んだ両親に、「お前は一人で生き延びた」「誇りに思う」と言われて、泣かない訳が無い。
両親との絡みはもうずっと泣いてた。
得られなかったものを得ようとしてももう遅い。時間は流れてしまった。いま仮に得られたとて、得られなかった頃には戻れない。
両親もきっと自分たちの限界を自覚している。それでも親らしく振る舞いたいと思うだろう。我が子のために。

どちらにとってもノスタルジー=現実逃避になるのだろうが、その表現と原作への踏襲が見事だと思った。

クラブの混沌も、ハリーの存在感もめちゃくちゃ良かったのだが、ラストで急に素に戻った自分がいた。

“振り向いたら彼もいない。黄昏に溶けてしまった”くらいの曖昧なラストが良かった。あの描写は、ちょっと意味がありすぎると思った。ただの好み。