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テリー・ギリアムのドン・キホーテのutukiのレビュー・感想・評価

4.0
ドン・キホーテシンドロームを悪い言葉として使うのは、本当にナンセンスだと思う。

今までドン・キホーテという人の魅力をイマイチ解らなかったけど、一番よく理解できた作品でした。

(原作のドン・キホーテの内容が入ってないと、なるほど味は薄いかも。以下wikiから。読んで!
“騎士道小説が大好きで、村の司祭と床屋を相手に騎士道物語の話ばかりしていたら、彼の騎士道熱は、本を買うために田畑を売り払うほどになり、昼夜を問わず騎士道小説ばかり読んだあげくに正気を失ってしまった。
狂気にとらわれた彼は、みずからが遍歴の騎士となって世の中の不正を正す旅に出るべきだと考え、そのための準備を始めた。
古い鎧を引っぱり出して磨き上げ、所有していた痩せた老馬をロシナンテと名付け、自らもドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャと名乗ることにした。
最後に彼は、騎士である以上思い姫が必要だと考え、エル・トボーソに住むアルドンサ・ロレンソという田舎娘を貴婦人ドゥルシネーア姫として思い慕うことに決めた。”)

何やこの狂人話。とそんな感じでしたが、
狂い続ける情熱や、分かってやってたと死の淵に語る彼を愛さずにはいられない。
巻き込まれて、徐々にサンチョになっていくトビーと見てる私がリンクして、彼の大ファンに成り果ててしまったさ。

ロスト・イン・ラ・マンチャを、続けて鑑賞したので、より理解が深まったし、当初制作予定だった映像より更に分かりやすい作品になってる!と、アップグレードされてることにも感動が増し増し。
(このドキュメンタリーについてはまたレビューしたい!)

テリーギリアムの情熱的で脆い感じを目一杯浴びれるので、モラトリアムなムードに浸ってる・浸ったことがある人にウルトラおすすめです。
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