のんchan

ナインイレヴン 運命を分けた日ののんchanのレビュー・感想・評価

3.7
米同時多発テロ事件から23年が経った。何のことか知らない世代も増えているだろう。
この日を忘れないために毎年関連作品を観てきたが、もう観るのが底をついてきた。

この作品は実話を基にした舞台劇の映画化。
2001.9.11の早朝、ワールドトレードセンタービル、ノースタワーのエレベーターに乗り合わせた5人の男女の群像劇。


億万長者の男(チャーリー•シーン)とその妻(ジーナ•ガーション)はビル内の弁護士事務所で離婚協議を終え乗り込む。
ヒスパニックのビル保全技術者(ルイス•ガスマン)は上階のトイレの詰まりを直しに行くところだった。
アフリカ系のバイクメッセンジャー(ウッド•ハリス)はその日が幼い娘の誕生日。
若いロシア人女性(オルガ•フォンダ)は年上不倫男と別れに来たのだった。
偶然乗り合わせた5人は突然強い振動とともに38階付近でエレベーターが停止する。何が起きたか一気に不安になるも、気持ちを紛らわすため名前や仕事を伝えてそれぞれを知る。

そんな時、エレベーター保守事務所に勤めるオペレーター(ウーピー•ゴールドバーグ)と緊急回線が繋がり会話ができた。飛行機の激突だと知るがエレベーターはロックされたまま。次第にビル崩壊のニュースが伝わり更なる恐怖と闘いながらも脱出を試みるが...運命の分かれ道がやって来る。


パニックものとしてもスリル感はあるし、エレベーターの構造的なものも知れるが、この作品は緊迫状態になった時、人種や肌の色や異なる背景(金持ちか否か)なんて何の関係もない。ただ心を一つ"生きる"ために助け合うことを伝えている。

実際の当事者からしたら再現作品はもう十分で、群像劇風なのは観たくないとなるかも知れない。
それも分かる気もするが、私はラストシーンの身を挺して命を助けようと必死な消防士の姿に胸が詰まった。

キャストが豪華なのは見どころでもあり、ジーナ•ガーションが目当てだったがとても美しく、ジーナの母親役でジャクリーン•ビセットも出演していて、品良く年を重ねていてお綺麗でした。
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