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希望のかなたのクリームのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.6
淡々と進むストーリーに感情表現の少ない役者さん達。なので、あまり感情を揺さぶられる事無く、淡々と終わった。移民や極右グループ(ネオナチ)をテーマに入れているのでもっと見応えがあるのかと思ってました。カウリスマキ監督作品を初めて観賞するのは、多分これでは無かったんだと思う。
いい人達が住むと聞いたフィンランドに流れ着いたシリア難民のカーリド。難民申請は通らず、逃げたして途方にくれていたら、レストランオーナーのヴィクストロムと出会い、いい人ばかりの従業員達と働くことになる。生き別れになった妹を探すが、中々見つからない。見つける事は出来るのか?




ネタバレ↓




まず、あちこち禁煙じゃないのが驚く。室内の至る所でプカプカ。思ってフィンランドと違った。難民申請が通らなかった時に悪い事をしていないのに手錠をかけられるのも驚いた。で、申請も「今は、シリアの情勢が落ち着いているので、認められない」と言われてしまう。その日のニュースで被害が報じられていて、凄い被害なのに…。そして、恐ろしかったのが、フィンランド解放群(右翼グループ)の存在。この人達、難民と解ると直ぐに襲い掛かって来る。容赦無い。本当に存在していると、思うと背筋が凍る。
かと思えば、ヴィクストロムの様にあり得ない程良い人もいる。難民と知ってて雇ってくれ、偽造の身分証明書、住む所、前金、妹を呼び寄せる手筈までしてくれる。他の人達も優しい人達は沢山いて、カリードを助けてくれる。
お蔭で無事妹ミリアムと再会出来たけど、カリードは、右翼グループの1人に腹を刺されてしまうのだった。恐らく、ミリアムは国へ送還されてしまうだろう。カリードもあのまま息を引き取るかも知れない。犬が寄り添ってくれたのは、ちょっと温かいが…。「希望のかなた」は希望の先には何も無いって事なのかな?現実には希望などないって言いたいのかと思いました。
所々、シュールな笑いはあったけど、全体的に暗いイメージの作品だった。
缶詰めのフタを2/3開いて、皿にのせただけの料理やとても寿司とは言えないワサビてんこ盛りのヤバそうな料理。あれは、笑い所だったのだろうか?
そもそもコメディなんだろうか?
嫌いじゃないけど普通かなって思ってしまった。他の作品を観てからだと捉え方が変わるのかも知れないが…。

※カリードが冒頭、真っ黒な石炭の中から登場した時から、何か山田孝之なんだよなあ。そっくりでは無いんだけど…。ずっとなんか山田孝之だった。
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