Kumonohate

希望のかなたのKumonohateのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.9
難民というシリアスな問題をテーマに、困っている人に手を差し伸べる人間の善意、一方で難民に冷淡だったり排斥しようとする現実が描かれる。が、言うほど単純な話では無い。カウリスマキ監督独特の無言無表情でそれらが描写されるので、登場人物たちの立ち位置がかなり掴みにくい。シンプルに言い換えれば、善人か悪人か掴みづらい。ましてやそれらの登場人物が中東からの難民とフィンランド人なのだから、日本人にとっては尚更だ。

だが、だからこそ引き込まれる。映像が発するわずかな情報からテーマを読み取ろうとする楽しみが最後まで途切れない。どんなメディアで発信されるかにもよるだろうが、情報の押しつけすぎは却って飽きられるということを、改めて気付かされる。プラス、無表情な芝居はやはり笑える。
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