イスタンブールに住む色々な猫々。
作中でインタビューに応じている人はほぼ全員猫に対して何らかの幻想を投影しており、街の開発で緑がどんどん減っている状況も相まって人間の身勝手さがより際立つ。
人間と同じように猫も十匹十色。家で飼われている場合と野良の場合では心理的な安心も全く違うし、同じ性格の猫は一匹として居ない。人間関係と同じように、特定の猫に出会えた偶然は奇跡そのものだよね……。
体を横向きにしてドアの前で待ってるガムシズとか、常に単独行動でドアが開いてるのに店の中には入ってこない内向的なデュマンも可愛い。
猫が良くて人間が良くないという単純な話ではなくて、共存していくためには権力を持つ側が排除を前提としない生活空間を作る努力を怠ってはいけないということ。
最後、飼い猫にすると猫らしさを失うとか言われてたけど、家で飼った方がよっぽど安全で猫らしく暮らせると思う。狩猟をしたり土器を作ったり戦争をするのが人間らしさなわけではないので……。