ブタブタ

ドグラ・マグラのブタブタのレビュー・感想・評価

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)
4.0
……ブウウ———ンン———ンンン…………。
ハァ~チャカポコチャカポコ...

ソフト再販により約20数年ぶりに鑑賞。
探偵小説三大奇書の一つ・夢野久作『ドグラ・マグラ』の映画化。
あの難解な原作をスッキリと整理して出来うる限りわかりやすく映像化した作品。
九州帝国大学精神病棟の1室で目覚めた記憶喪失の少年と隣室の発狂した美少女。
その少年・呉一郎の記憶をめぐる犯人無き殺人事件。
いえ、殺された筈の美少女は隣の病室に居るのですから殺人事件そのものがあったのかどうかすら分からない。
正木博士と若林教授、全てはこの2人の怪魔人による闘争と実験。
同じ1ヶ月が何度も何度も繰り返され(巻き戻され?)そのループ世界の中を永遠にさまよう主人公。
そもそも最初に真犯人は「胎児の夢」だとハッキリ明かされている。
作中登場する小説『ドグラ・マグラ』はある狂人が書いたモノで既に起きたそしてこれから起きる出来事が予め全て書かれている。
それを読んでいる自分は『ドグラ・マグラ』の主人公でそれを書いた本人。
映像として再構築されたこの『ドグラ・マグラ』もまた九州帝国大学の1室で主人公が見ている映画なのかもしれない。

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