なかなか楽しめる作品だったけど、長い予告編といった感じで、プロムガンプ作品は壮大な物語の一部を切り取ったような、歴史の傍観者的な感覚こそが醍醐味なんだと思いました。
そもそも第9地区もその前のドキュメンタリータッチの短編が面白かったからフックアップされたので、本来はバッドエンドなSFでこそ活きるのだと再認識ですね。
確かに、ストーリーにするためには、何でもない人の話にしつつも、結局そういった人が偶然が重なって英雄（救世主）になる運命を辿る…という話がいいとは思うけど、そのパターンにハマって凡作になってたんじゃないですかね？
全く関係のない人の話からはじまり、いつの間にか巻き込まれて、助ける事になった人物こそが人類の命運を握る人物であった…というような、トゥモローワールドのパターンとか、
救世主だと信じて命を掛けて助けた人物が実はペテン師で絶望、自分が救世主となってしまうパターン（何の映画か忘れましたがファーフロムホームとかも似たパターン）とか、
結構この手の話にもパターンはあるわけですから、ストレートな語り口も良いですが、もっとプロムガンプ監督のソリッドな映像センスを活かせる客観的な視点や即物的な描写を必要とする脚本で長編を撮ってほしいですね！
こういう観測者や歴史の立ち会い人的な目線の映像作品としては、ともすれば涼宮ハルヒみたいにナレーションでずるずると話が進む感じになりそうな気もしますけど、ターミネーターのような傑作も期待できます。
