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アランフエスの麗しき日々のsukeのレビュー・感想・評価

アランフエスの麗しき日々(2016年製作の映画)
4.5
いかにもフランス映画っぽい、インテリぶった男女の退屈な愛の詩的問答を、流麗なカメラワークと、リュミエール作品を彷彿とさせる風にざわめく植物、超綺麗な光の演出、そしてこだわりの音楽、研ぎ澄まされた自然音でやり過ごすと、最悪で最高のご褒美が待っていた。空想世界で遊ぶ作家のたんなる妄想会話劇かと思いながら、なんとなく演劇っぽさやフレーミングや枠の扱い方、空気感などに面白みを見出そうとしていたら、芸術家の苦悩、パラノイアの疑似体験というか、世界への鋭い感覚からくる絶望感、恐怖、虚無にいきついちゃうみたいな、恐ろしい映画だった。ゾッとした。
タイトルは皮肉か?あまりに美しき夏の空気感が現出していたためによりそう思う。
全編通して音がやばいくらいいい。
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