幕のリア

ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生の幕のリアのレビュー・感想・評価

3.6
今年観た多くの作品の中で、最も簡素ながらも印象が薄れないのが「私はダニエル・ブレイク」だ。
恥ずかしながら、ケン・ローチ作品は初めてで、監督が引退を撤回してまで取り組んだ作品という事も知らなかったし、余計に驚きも感動も強かったと思う。

時代ごとの世相を巧みに切り取り、現実よりも本質に近い言葉でドラマを紡ぎ出す手段を知るのに、本作は彼の生い立ちから現在に至るまでを丹念に追っている。

過去作も過ぎた時代の検証材料としてではなく、いつの時代も変わらない本質を見つめるヒントとして見てみたいと思う。
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